オムライスを食べた日。

答え合わせができた日は

やっぱりとても嬉しくて

 

どうしても、

あなたでなければいけない

 

あなたであって欲しい理由ばかりで溢れていった。

 

そんな思いが私の日々を塗り重ねて

艶やかな、立体的な景色が映る。

 

頬につたう熱いものを

あなたの指先がすっと溶かしてくれた

 

そこに在った痛みをすっかり忘れてしまうように

あなたの手の柔らかさを感じる

 

今は、2人、の瞬間なんだと

思わず緩んでしまった口もと。

 

この手は、これから

どんな風に私を楽しませてくれるのかと

 

ああ

 

この先のご馳走の香までを

想像しちゃった...

 

さようならを告げるには、

心細く

似つかわしい。

 

"運命"なんてものがなくても

私たちは想うでしょう?

 

自分たちでつくっていくものでしょうが。

 

あの後、お店に寄ってみたんだけれど

オムライスが変わらずしょっぱかったの。

 

頬につたうこの静かなものだって

おんなじ味がするようで

 

ちょっとあなたに会いたくなったのよ。

 

デートのお誘いをしてくれるマスター

 

衣乙(いと)